2021年9月28日

排唾管の工夫

排唾管の工夫

お口の中に唾液が溜まってしまうけれど、飲み込むことが出来ない利用者様。
その様な利用者様には排唾管を使っていただいています。

排唾管をモーターにつないで。

モーターとは、唾液持続吸引器(魚観賞用ポンプ改造の市販品)です。

 

一般的に売られている排唾管はこんな感じ

中にワイヤーが入っていて利用者様のお口に合うように曲げていきます。

車椅子に起きている時などは強めに曲げて、お口に引っかかるようにしたり。

先端をアップで見ると

先端はプラスチックで小さな穴が開いています。

 

前から見ると

ぐるっと1周穴が開いているのが分かります。
ここからお口に溜まった唾液を吸ってくれるのです。

ただ、この形と素材が合わない利用者様も・・・。
固すぎる、太くて違和感がある。
力が入ってしまい噛みしめてしまう利用者様はプラスチック部分を噛み砕いてしまうこともあります。

そこで、利用者様に合った排唾管を工夫しています。

 

舌の動きがあり、舌の上での安定感を希望された利用者様はこの形を気に入られています。

最初は購入をして頂いていましたが、お値段を聞くと1本1000円ほど!
管も細く、ワイヤーが入っているので詰まり易く交換の頻度も多く。

それなら作っちゃいましょう!」と職員皆で試行錯誤して。

ご本人の気に入っている太さのチューブに細かい穴をたくさん開けて。
先端から糸で留めながら、くるくる巻いていきます。
1000円あればたくさん作れますからね。

最初は職員が作っていましたが、奥様に作り方をお教えして、今はお嫁さんが作って下さっているようです。

もう一種類ご紹介

こちらはチューブの先を開いて折り返し、糸で留めたものです。
見えている方向には2つの穴。
裏は1つ穴になっていて、吸引力の調節が出来ています。

これは利用者様がご入居される前の、訪問看護師さんが工夫して作ってくれたものです。

”凄いですね。”

作り方を教えていただいたので、今も職員が作って使わせていただいています。
他の利用者様にもお試しをしていただいたところ気に入られて使用開始。


常にお口の中に入っている物なので、不快なくスッキリするものが一番ですね。

今後もいろいろな情報を集めながら工夫を続けていきます。

お口の動きが悪くなってきた時は、介護者が排唾管の位置を気にして動かしてさしあげるあげることが重要です。
排唾管を動かさないまま一カ所で使い続けてしまうと、吸引力でお口の中に潰瘍が出来てしまいます。
体位交換の度に唾液が溜まり易い位置や方向に排唾管を差し替えてさしあげる事をお勧めします。
また、排唾管がずれたりお口から外れてしまわない様に、クリップや洗濯バサミなどでお洋服などに止めてさしあげると安心です。

みさとノイエ
※紹介している商品に関して取り扱っているわけではないため、お問い合わせはお控えください

関連タグの新着記事

みさとノイエ

もっと見る

2025年6月25日

もう自分を責めないで。介護で心が折れそうな時に知ってほしい「心の余裕」の作り方

  • MCについて
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 働き方
  • 事務局

2025年2月19日

ロホクッションとは?介護・リハビリ現場から日常生活まで支える安心クッション

  • リハビリ
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 神経難病
  • ALS

神経難病

もっと見る

ロホクッションとは?介護・リハビリ現場から日常生活まで支える安心クッション

  • リハビリ
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 神経難病
  • ALS

2025年2月15日

車椅子「ネッティ」:快適性と多様なニーズへの対応

  • リハビリ
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 神経難病

MCライブラリー

もっと見る

ピエゾニューマティック(PPSスイッチ)

筋肉の「ひずみ」や「ゆがみ」で作動するピエゾセンサーと、指先の僅かな動きで作動するエアバッグ(ニューマティック)センサーの2種類を選択できるスイッチ。いずれも感度調整が可能で、僅かな力でも操作できるため、幅広い方にご使用いただけます。MCでは更にチューブを利用したカムスイッチを作成し、接続して使用しています。

関連ページ

Eeyes

視線検出式入力装置を接続した、目の動きによる文字入力ができる意思伝達装置。文字だけでなく絵文字も使用できるのが特徴で、伝え難い感情のニュアンスを表現することが可能です。また、体の部位を示す絵文字と操作に関する絵文字を組み合わせるなどの工夫で、通常の文字を入力するよりも素早いコミュニケーションを実現できます。

関連ページ

ニューロノード

筋電図測定装置 ニューロノード

神経難病(ALS、脳性麻痺等)や事故による脊髄損傷などで動きに制限のある方々のために開発された、世界初のウェアラブルデバイス。筋電、空間、眼球の3つのモードから体の状態に応じて選択でき、微細な動きや不随意な動きも設定で調節することが可能です。Bluetooth接続によりiPadと連携し、どんな体勢でも使用できます。メール、インターネット、アプリ、SNS、勉強、ゲームなど、多様な操作が可能で、利用者の世界を広げます。

関連ページ

伝の心

センサーを使用して身体の一部をわずかに動かすだけで、文字をパソコンに入力できる意思伝達装置。 DVDやテレビなどのリモコン操作、インターネットや電子メールなど、介護者の力を借りることなく、利用者さまが多くのことを自由に行うことができます。これまでの仕事を継続する・新しい活動を始めるなど、さまざまな可能性を広げるツールであり、ALS当事者で国会議員の舩後靖彦氏も使用していることで知られています。

関連ページ

採用について

株式会社MCでは新卒採用、キャリア採用、アルバイト・パート採用を行っております。
募集職種など詳しくは採用情報をご確認ください。

お問い合わせ窓口

採用について、施設への入居についてなど、株式会社MCへのお問い合わせは下記より承っております。

電話:048-999-5858

電話受付時間:9:00〜17:00(月曜日~金曜日)
FAX:048-999-5827