リハビリ

シン噛むスイッチでIpadや伝の心、コールを操作

シン噛むスイッチでIpadや伝の心、コールを操作しよう

以前ブログで紹介した、

噛むスイッチが改良されました。

 

以前紹介しました噛むスイッチは、

吸引チューブを使った方法で作成しました。

※手作りでできる噛むスイッチの紹介(吸引チューブVersion) https://mc-misato.com/archives/6930

 

今回紹介するシン噛むスイッチは、

ピエゾセンサーを使用しています。

そのため、

感度の調整が行いやすくなりました。

 

また、

セッティングをする上でも、

ナイスな工夫を取り入れています。

 

ぜひ、

進化したシン噛むスイッチを作成してみてください。

 

なんで噛む動作なの?

噛む(英語:bite)とは、

上下の歯でものを挟んだり、

砕いたりすることです。

 

そのためには、

顎関節という関節を、

噛む筋肉で動かすことで、

噛むことができます。

 

でも、

関節をあまり使いすぎると、

顎関節症という関節症になってしまい、

耳やこめかみなど痛みが生じることがあります。

 

しかし、

ALSという神経難病を患っている方では、

手や足を動かしたりするよりも、

自分の意志で動かしやすい動きことがあります。

 

噛む動作でスイッチにした理由

今からお伝えする内容は、

手や足が動かしづらい人でも、

スイッチ操作ができる方法の一つとなります。

 

そのため、

スイッチの選定に悩んでいる、

ご本人様や、

家族の方、

介護者やスタッフの方、

が知ってほしい内容となります。

 

「噛む」という動作は、

本来であれば力が強く、

使うことが多くなることで関節症を生じてしまう可能性があります。

 

その反面、

動きの幅がおおきく、

わかりやすいというメリットもあります。

 

なので、

セッティングが行いやすい為、

介助者でも分かりやすいです。

 

ピエゾの使い方の幅が広がる

 

今回使用しているのは、

ピエゾニューマチックセンサースイッチ(PPSスイッチ)と呼ばれるものをアレンジしたものです。

 

PPSスイッチは、

本来、

額や指の関節など、

僅かな動きができるところに貼り使用します。

 

しかし、

僅かな動きをしているところにスイッチを使うことは、

観察力や、

巧緻性などの能力が必要となります。

 

そのため、

再現することが難しいというデメリットがありました。

 

作成した、

シン噛むスイッチは、

逆に動きが大きいところに繊細なセンサーのスイッチを使用するという、

逆転の発想で誕生しました。

 

本来は繊細なセンサーなのに、

力が大きい「噛む」ことに使っても大丈夫なのか?

と疑問が出てくると想います。

 

それに対しては、

繊細なセンサーを丈夫にすることで、

解消しました。

 

どうやったらできるかを考える

紹介したスイッチを通して、

私達サポートハウスみさとヴィラが大切にしていることは、

「ここに来てよかった」

と利用者様に思ってもらうことです。

 

そのためには、

できないから諦めないで、

どうやったらできるかを考え続けることが必要だと想います。

 

小さい動きが分かりづらいから、

介助者がスイッチをセッティングすることができない。

利用者様もなかなかできないことに苛立ってしまう。

 

それなら、

大きい動きの場所を探し、

スイッチ操作ができるようになることで、

利用者や介助者がともに、

快適になることができました。

 

 

シン噛むスイッチの紹介

ここで、

今回作成したシン噛むスイッチを紹介させていただきます。

 

前回より大きく変わったこととして、

  • PPSスイッチを使用している
  • 使っている道具が変わっている
  • 口から外れにくい工夫を取り入れている

などがあります。

 

それでは、

詳しく説明させていただきます。

イ)PPSスイッチを使用している

前回は、

吸引チューブを使っていました。

今回は、

ピエゾセンサースイッチに変わりました。

 

吸引チューブより良い点としては、

感度を調整できるため、

噛みすぎてしまうときや噛めない時に合わせた、

スイッチを提供することができます。

 

逆に、

悪い点としては、

ピエゾセンサースイッチは金銭がかかるという点です。

センサースイッチは一本あたり約1400円程度かかってしまいます。

また、

精密な機器ですので、

濡れてしまう事や、

強い力がかかりすぎると故障してしまいます。

 

ロ)使っている道具が変わっている

吸引チューブを使っているときは、

アイロンなどを用意する必要がありました。

 

今回は、

アイロンは必要ない代わりに、

・指サック

・針金

・吸引チューブ

・クッション材

・透明フィルム

が必要となります。

 

 

指サックを使用する事で、

噛むときに濡れても大丈夫な仕様となっています。

 

ハ)口から外れにくい工夫を取り入れている

今回のスイッチで一番のpointは、

この工夫になります。

 

では、

どのような工夫を取り入れているか?

 

それは、

口で固定するところが「フック」になっていることです。

 

なぜ、

「フック」になっているか分かりますでしょうか?

 

そうです、

眠いときなどに反射的に起きる、

「あくび」

に対応するためです。

 

以前の噛むスイッチでは、

吸引チューブしか使っていないため、

中に針金を入れると口腔を傷つけてしまう可能性があり、

使用できませんでした。

また、

曲げたりすると、

空気圧を使用しているため、

誤作動やスイッチがならないなどの現象が生じてしまいます。

 

しかし、

今回はピエゾセンサーの先端がスイッチとなっているため、

先端以外は曲げても大丈夫なのです。

なので、

口に傷をつけずに、

針金を使ってフックにすることが可能となりました。

 

フックにすると、

あくびのような上下運動に対しても、

セッティングに影響を少なくすることができました。

 

※下の写真はシン噛むスイッチできるまでの(仮)シン噛むスイッチです。

針金の長さが長いので、

取り扱いが難しいです。

 

ジップロックでは口の中の感触が良くないので、

利用者様が不快な思いをしてしまいました。

 

上に書いてある事以外にも、

色々なことをトライアンドエラーを繰り返し、

今の形となりました。

 

実際に使用してみてどうだったか?

今回のスイッチを実際に使ってみて感じたポイントを2つお伝えすると、

Ⅰ.セッティングが簡単

Ⅱ.長時間利用が可能

でした。

 

セッティングは、

口角にフックを引っ掛ける感覚でできました。

口の動きは大きいので、

目視でもズレなどがわかりやすかったです。

 

スイッチを使用しているときは、

ずれてしまったり、

環境が変わったりすることで、

スイッチの反応が鈍くなってしまい。

 

調整が必要なことが多いのですが、

今回は全然調整いらずの生活を過ごすことができました。

 

噛む動作を活用したスイッチを作成してみて

噛むことは本来、

力が強いですし、

使いすぎると関節症を生じてしまうことがあります。

 

その為、

噛む動作を活用したスイッチを作成することは少ないです。

 

その反面、

動き自体は大きいので、

セッティングが行いやすいです。

 

スイッチを作成するときは、

利用者様や介助者のことを考える必要があります。

 

今回のスイッチは、

まさに、

利用者様も介助者のことも考えられたスイッチだったと想いました。

 

 

リハビリテーション科では、

「利用者の望みに寄り添い、

そのお手伝いをする」

利用者さんの想いを知る為にコミュニケーションを大切にして、

どんな関りができるのか検討し、

専門知識を活かしたサービス提供を行っていきます。

 

噛むスイッチを作成してみよう

PPSスイッチをお持ちの方で、

なかなかうまく使うことができない方がいらっしゃいましたら、

ぜひ作成をしてみてください。

 

まずは、

吸引チューブを利用した噛むスイッチの方が簡単につくれますので、

作成してみてください。

 

具体的な作り方は、

手作りでできる噛むスイッチの紹介(吸引チューブVersion) https://mc-misato.com/archives/6930

をみていただければ幸いです。

 

それでも、

利用者様や介助者にあったスイッチができなかった場合は、

シン噛むスイッチを作成してみてください。

 

準備するものや、

工程はシン噛むスイッチの方がおおいですが、

満足いくスイッチが作成できると想います。

※紹介している商品に関して取り扱っているわけではないため、お問い合わせはお控えください

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