「なぜ?」を「なるほど!」に。ワタキューセイモア様の仕事を知ることで、私たちの現場はもっと強くなる。

「このタオル、いつもふかふかだね」「シーツが綺麗だと気持ちがいいわ」
私たちの施設で利用者様からいただく、そんな何気ない一言。その裏には、日々の快適な生活を静かに、しかし力強く支えてくれるパートナーの存在があります。
私たちにとって、それは開設以来お世話になっているワタキューセイモア様です。
とはいえ、日々の業務の中で、スタッフから「利用者様の私物が見当たらないのだけど、洗濯の過程ではないか…?」「この汚れはどこで付いたんだろう?」といった素朴な疑問の声が上がることもありました。
それは決して「疑い」ではなく、私たちには見えない「工程」に対する純粋な「なぜ?」でした。この「なぜ?」をスタッフ全員の「なるほど!」という深い理解に変えることができれば、私たちのチームはもっと強くなれる。そして、利用者様へのサービスも向上するはずです。
そんな思いから、私たちは「学びの機会」として、ワタキューセイモア越谷工場の見学をお願いしました。
今回工場見学に快諾してくださり重ねて感謝申し上げます。
目次
「1日に約50トン…」
まず私たちが圧倒されたのは、その事業規模。関東最大級を誇る越谷工場では、毎日想像を絶する量の洗濯物が集まってきます。しかし、その膨大な量を、驚くほどスピーディーに、整然と処理していくシステムがそこにはありました。
天井に張り巡らされたレールを、洗濯物が入った巨大なバッグが自動で行き交う「スリングバックシステム」。人の手を極力介さずに、品物ごとに最適な洗濯機へと運ばれていきます。この光景を見て、まずスタッフの一人が呟きました。
「これなら、違う施設の洗濯物と混ざることは絶対にないですね…」
巨大な「連続式洗濯機」や、170℃の熱で一気に仕上げる「ロールアイロン」など、最新鋭の設備の一つひとつが、品質を均一に保ち、間違いを起こさないための工夫に満ち溢れていました。
以前は手作業で行っていた重労働の運搬作業も業務効率化を進め、現状のシステム化になりましたと教えていただきました。
見学が進む中で、私たちは気づきました。ワタキューセイモア様が最も大切にしていること、それは私たち施設が最も大切にしていることと、まったく同じだということに。
それは「安全」という価値観です。
その象徴が「X線ポケット検査」でした。洗濯前にすべてのユニフォームをX線に通し、ポケットの中身をチェックするこの工程。モニターには、忘れられたペンや鍵がはっきりと映し出されます。
この徹底ぶりの目的は、ポケットに万が一残された注射針などによる「針刺し事故」をゼロにすること。案内してくださった工場長は、こうおっしゃいました。
「ポケットの中の注射針一本が、私たち職員だけでなく、その先の患者様やご家族まで危険に晒す可能性がある。だから、このX線検査は絶対に妥協できないんです。」
この言葉は、日々、安全管理に心を抱いている私たちの胸に深く響きました。「業者」と「施設」という垣根を越え、職員と利用者様の安全を守る「一つのチーム」としての想いを確認できた瞬間でした。
さらに、患者様の私物を扱うエリアでは、その姿勢が一層際立ちます。縮みや紛失といったリスクを避けるため、あえてオートメーションではなく、熟練のスタッフの方々が一点一点、手作業で検品を繰り返していました。
入荷時と出荷時のダブルチェック。その丁寧な手つきを見ていると、一枚の衣類に込められた利用者様の想いまで大切にしてくださっていることが伝わってきて、胸が熱くなりました。
工場長のお話を伺う中で、私たちが特に感銘を受けたのは、ワタキューセイモア様が従業員一人ひとりをどれほど大切にされているかという点でした。
例えば、障害者雇用においては、特別な対応をするのではなく、「健常者と同じように接する」ための研修を重ねることで、不要なトラブルを防ぎ、誰もが働きやすい環境を追求されているとのこと。年齢や役職に応じた様々な研修も、おおむね京都の本社で行われるという点からも、人材育成への並々ならぬ熱意が伺えます。
X線検査装置や空調服の導入など、従業員の安全と快適さを守るための積極的な投資も、まさに「人を大切にする企業理念」の表れです。あるスタッフが「シーツを機械にかける作業、大変そうですが、一人で黙々と作業するのが好きな人には合いそうですね」と感想を漏らしたように、それぞれの個性や適性に応じた業務配置も考慮されているとのことでした。工場長自らが従業員の元気がない時に声をかけ面談を行うこともあるというお話からは、日頃から細やかに従業員に目を配っている様子が伝わってきました。
また、社長の「現場の声を大切にしたい」という強い思いから設けられている「社長ホットライン」の存在は、従業員からの意見や改善提案を吸い上げ、それを経営に反映させる仕組みが根付いていることの証です。上がってきた内容が共有され、工場長自身が反省する機会にもなるとのお話は、真摯に組織をより良くしようとする姿勢を感じさせました。
面接の際も、怪我や病気が理由で採用を見送ることはなく、むしろ本人の状態をきちんと確認し、できることをお願いするというスタンスは、個々を尊重する企業文化を象徴しています。
見学を終えて、私たちの心に残ったのは、晴れやかな納得感と、パートナーへの深い感謝と尊敬の念でした。
これまでブラックボックスだった工程の一つひとつを知ることで、スタッフの「なぜ?」は、ワタキューセイモア様の仕事への信頼と「なるほど!」に変わりました。
そして、それは私たち自身の仕事を見つめ直すきっかけにもなっています。
ワタキューセイモア様が最高の仕事で私たちを支えてくださるように、私たちも最高の状態でバトンを渡す努力をする。その連携が、結果として利用者様の「気持ちいいわ」という笑顔に繋がっていく。
今回の見学で得た最大の学びは、最高のケアとは、最高のパートナーシップから生まれるということでした。
もし、あなたの施設でも業務の「なぜ?」があれば、ぜひ一度、パートナーの仕事場を訪れてみてください。そこにはきっと、日々の業務をより良くするヒントと、明日への活力が溢れているはずです。
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リフト(スリングシート)
自力で移動できない利用者さまを介助リフトで運ぶ際に使用するシート状の補助具。頭から全身を包み込むハイバック型、頭を支える必要のない人に適したローバック型、介助者が取り扱いやすい脚分離型などのさまざまな種類があります。身体状態や体重等を考慮して、その方に合ったスリングシートを選択します。
ピエゾニューマティック(PPSスイッチ)
筋肉の「ひずみ」や「ゆがみ」で作動するピエゾセンサーと、指先の僅かな動きで作動するエアバッグ(ニューマティック)センサーの2種類を選択できるスイッチ。いずれも感度調整が可能で、僅かな力でも操作できるため、幅広い方にご使用いただけます。MCでは更にチューブを利用したカムスイッチを作成し、接続して使用しています。
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口元にセンサーを近づけて固定し、息を吹き込む、または声を発することで操作が可能なスイッチ。微細な動作が難しい方でも簡単に使用できるよう設計されており、ナースコールやMCライブラリーでご紹介している意思伝達装置など、さまざまなデバイスと接続して活用することができます。
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ネッティ
福祉先進国であるノルウェーで生まれた、快適性抜群の車椅子。ティルト&リクライニング機能により、体の状態に合わせた細かな調整が可能です。特に頭部、背中、足のサポートが充実しており、座り直しが難しい方や姿勢を維持することが困難な方でも、安心して長時間使用できます。
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