2021年10月13日

脱水になる原因とは

脱水になる原因とは

老人ホームなどで高齢者がなりやすい「脱水」とその原因についてお伝えしたいと思います

まず、脱水をお伝えする前に、人間の体の体液に関してです
人間の体は生命を維持するための「体液」によって形成されていて、成人男性で60%、成人女性で55%、高齢者では50−55%と言われています
そのうち、体液は「細胞内液」「細胞外液」大別されます
特に重要な体液として、細胞外液にはナトリウムイオン・細胞内液にはカリウムイオンがそれぞれ多く含まれています

人間の身体の中に入る水と出ていく水の量は同じ量であり、常にその量が一定な量を保つように身体の機能が保たれています。
*身体から水分の出ていく量は1900~2600ml程度と言われています

IN
飲水量 900-1100ml
食物中の水分量 800-1300ml
代謝水 200ml

合計

*代謝水とは、体内で栄養物質が酸化されるときに作られる水分のことです

1900~2600ml

 

脱水とは

脱水とは先ほど説明した、「体液」が喪失している状態のことです

脱水の分類

水分欠乏・・・水分の摂取量の不足していること状態や尿が多すぎる(多尿)タイプ

塩分欠乏・・・塩分の欠乏がまず起こり、次に水分の欠乏が起こるタイプ

脱水の原因

水分の摂取不足・・・飲水量が不足している、意識障害や嚥下障害(飲み込みが悪い)ことで水が飲めない、意識的に水を飲まない

体液の喪失・・・下痢や嘔吐、手術の傷害による出血が続いている。発熱や多尿、発汗、過呼吸によってもの体液が喪失している

脱水による症状

脱水による症状は、状態によって軽症・中等症・重症に分類することが可能です

軽症

食欲低下、元気がない、尿の回数が減る、喉が乾く、汗が多い・汗が出ない

中等症

吐き気、全身の倦怠感、動きが鈍くなる、皮膚が紅くなる、イライラしたり感情表現が鈍くなる、手足が震える、めまいや幻覚見える、体温上昇・脈拍上昇・呼吸回数の増加

重症

けいれん、失神、不眠、目の前が暗くなる、飲み込みができなくなる、皮膚の乾燥や感覚がなくなる、耳が聞こえなくなる

などが挙げられます

高齢者に脱水が多い理由

①水分量の低下
高齢者に若い人に比べて、水分を摂る量や食事の摂取量が減ることが多く、水分の摂取量が少なくなります

②喉の渇きを感じにくくなる
喉の渇きを感じにくくなるため、水分摂取をしなくなるもしくは水分摂取量が少なくなります

③持病の影響を受ける
糖尿病により尿が多くなってしまったり、泌尿器系の病気によって必要以上に排尿が増えて体に必要な水分の蓄えが減ってしまうことがあります

④飲み薬の影響
高血圧の薬を飲んでいる人が多く、その影響で尿が増えて、体液に必要な電解質(カリウムイオンやナトリウムイオン)などが排泄されてしまう

脱水の予防と対処方法

①予防に大切なことはこまめな水分補給です

②直射日光を避けて、体の体温を挙げないようにする。また、冷房やアイスノンなどで体を冷やすようにしてください

③実際に脱水を疑う場合は、衣類をなるべく薄いものにしたり、ベルトなどは身体を締めるようなもの外してください

まとめ

いかがでしたか?
現場の看護師は、人間の体に必要な水分量・体液のバランス・尿量・不感蒸泄などを観察しながら、脱水にならないように工夫をしています
脱水は、子供〜成人〜高齢者までどの世代の方でも起きやすい症状のひとつです
それぞれの状況に合わせて適切な行動をとることで、脱水の重症化を防ぐことは可能です
焦らずに適切な行動をとるように心がけてください

関連タグの新着記事

働き方

もっと見る

2025年6月25日

もう自分を責めないで。介護で心が折れそうな時に知ってほしい「心の余裕」の作り方

  • MCについて
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 働き方
  • 事務局

2025年4月29日

医療・介護の未来を拓く?MCが挑む「Gemini」活用最前線 ~AI初心者向け・現場の可能性と注意点~

  • 働き方
  • 事務局
  • カルチャー

2025年2月12日

胃ろうという選択肢-食べる喜びと安心への架け橋-

  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 神経難病
  • ALS
  • 看護

2024年12月30日

医療依存度の高い方の離床支援-看護師が語る、安心の「離床」ケアで広がる可能性-

  • 施設・入居
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 働き方
  • 神経難病
  • ALS
  • 看護
  • カルチャー

カルチャー

もっと見る

2025年4月29日

医療・介護の未来を拓く?MCが挑む「Gemini」活用最前線 ~AI初心者向け・現場の可能性と注意点~

  • 働き方
  • 事務局
  • カルチャー

2025年4月26日

私たちも進化が必要? 介護現場で今、本当に求められる「学び続ける力」とは

  • 働き方
  • 事務局
  • カルチャー

MCライブラリー

もっと見る

床ずれ防止用具/ここちあ

食事介助や離床などの背起こしケア時に発生する「床ずれリスク」を軽減するために開発されたエアマット。ベッドと連動した自動圧力調整機能を搭載しており、背上げ角度に応じてマットレス内の圧力を自動で調整し、体勢をしっかり保持して床ずれを予防します。操作パネルにはガイダンス機能付きのフルカラー液晶画面を採用。約10分で空気を充填できるエアポンプを備えているほか、停電時にも安心して使用できる設計で、使い勝手と安全性に配慮しています。

特殊浴槽

特殊浴槽

お風呂は利用者さまにとって最も楽しみな時間のひとつです。MCには人工呼吸器を利用している利用者さまも快適・安全に入浴することができる、機械式の特殊な浴槽があります。ストレッチャー上に寝たままの状態で、洗身・洗髪しゆったりと入浴することができます。

意思伝達装置/OriHime eye+Switch

視線やわずかな動きで思いを言葉に変える、社会参加を実現する革新的な意思伝達装置。視線入力やスイッチ入力で文字を選び、合成音声でスピーチができるため、ALSなどの神経難病の方々も自由に意思を伝えられます。家族や介護者とのコミュニケーションはもちろん、テレビ操作やインターネット利用など、日常生活の多くの場面で活用可能。OriHemeにはカメラやマイク、スピーカーが搭載されており、周囲を見渡したり、会話にリアクションするなどその場にいるようなコミュニケーションを実現し、生活の質を大きく向上させる可能性を秘めています。

アモレ

気管を切開し人工呼吸器を装着している方の気管内の痰を、気管カニューレから24時間自動で持続的に低圧で吸引する機械。導入することで介助者による気切部からの気管吸引の回数を大幅に減らすことができ、運転音も静かなので、利用者さまの負担軽減や生活の質向上につながっています。

関連ページ

採用について

株式会社MCでは新卒採用、キャリア採用、アルバイト・パート採用を行っております。
募集職種など詳しくは採用情報をご確認ください。

お問い合わせ窓口

採用について、施設への入居についてなど、株式会社MCへのお問い合わせは下記より承っております。

電話:048-999-5858

電話受付時間:9:00〜17:00(月曜日~金曜日)
FAX:048-999-5827