2023年9月18日

最後の時を支える「ホスピスケア」在宅とは違う施設での取り組み

ホスピスケアと緩和ケアの違いを考えたことはありますか?2つを理解し、利用者様や家族の方に対するサポートをどうしていくべきか?関わる方には何が出来るか?見つけてみましょう。

 

ホスピスケア・緩和ケアとは:違いはあるのでしょうか?

 

「患者や利用者様の苦痛を和らげる」という目的に違いはありません。そして、アメリカでは「余命6ヶ月以内」の方に対して行われるケアを終末期ケア(ホスピスケア)と言われています。

日本ホスピス緩和ケア協会は緩和ケアを次のように定義しています。

「緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面する患者と其の家族に対して、痛みや其の他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメント対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチである。」

日本ホスピス緩和ケア協会

厳密に言うと、緩和ケアは診断された時から行われます。ホスピスケアは、終末期の利用者様とその家族に対して、生活の質を向上させるための総合的なケアを指します。日本ではまだ浸透しきっていないかもしれませんが、終末期の考え方とサービスの内容を詳しく見てみましょう。

 

1-1. ホスピスの定義とその特徴

ホスピスは、終末期の利用者様と家族に総合的なケアを提供するサービスです。病気の治療だけでなく、心のケアや家族のサポートも行います。日本で言う「お看取り」と似ている部分もありますが、ホスピスはその考え方や提供するサービスがもっと広範囲です。

1-2. 日本におけるホスピスの歴史と発展

ホスピスの考え方は、1967年に欧米から取り組みが始まり、1981年日本に導入されました。そして、日本独自の文化や価値観、家族構造を取り入れた形で、ホスピスは発展してきました。2006年に「がん対策基本法」が成立し、着実に高齢化社会が進む中で、ホスピスの重要性は増してきています。

1-3. 終末期ケアの主なサービスと提供内容

ホスピスで提供されるケアには、医療ケアだけでなく、心理的サポートやスピリチュアルケア、リハビリテーションなどがあります。痛みのコントロールや家族のケア、生活の質の向上を目指して、専門的なチームが連携してサービスを提供します。

適切な医療の提供ができるよう、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)があります。動画にて詳しく解説していますのでよろしければ御覧ください。

 

終末期ケアの重要性

終末期の利用者様やその家族が直面する心の痛み、身体の痛みを和らげるための手法として終末期ケアは注目されています。しかし、その背後にはもっと深いものがあるのではないでしょうか。それは、自分らしい生活の最期を迎えるためのサポートをすること。終末期ケアの必要性について探っていきましょう。

2-1. 終末期ケアとしての役割

“出典:厚生労働省 令和4年度人生最終段階における医療・ケアに関する意識調査

日本は急速に高齢化が進む国として知られています。高齢者の増加に伴い、終末期ケアのニーズに変化がみられます。現代の医療技術の進歩により、多くの人が長生きするようになりましたが、その一方で終末期の適切なケアの必要性はデータからもわかるように年々増してきています。

2-2. 家族や利用者様へのメリット

「生きること」だけでなく「どのように生きるか」という質を重視する時代となりました。終末期においても、自分らしく今まで通り生活することが求められています。終末期ケアは、その思いを実現するための大切な役割を果たしています。

2-3. 社会全体への寄与と意義

終末期の利用者様にとって、家族や社会とのつながりは非常に重要です。孤独や不安を感じることなく、愛され、理解されながら生涯を終えること。終末期ケアは、そのような環境を提供するために、利用者様だけでなく家族もサポートします。

施設での終末期ケアの実際

3-1. 日本のホスピス施設での実際のケアの様子

終末期ケアとは、終末期の利用者様やその家族に対し、痛みの緩和や心のケアを行うことを主目的とした医療であり、自分らしい最期を迎えるための支援です。

一般的な施設では、医師や看護師、ソーシャルワーカー、心理カウンセラーなどの専門家がチームを組み、利用者様一人ひとりのニーズに合わせたケアを提供します。多くの場合、利用者様の痛みを和らげるための治療や、家族との最後の時間を大切に過ごすためのサポートが行われます。

3-2. 当施設における終末期ケアについて

当施設では神経難病を患っている利用者様が多くいらっしゃいます。神経難病は、徐々に運動機能が低下するため、今だけでなく先をみすえたケアが求められます。そのため、神経難病の利用者様が多い当施設では、神経難病に関する専門的な知識や技術を持った職員が配置され、利用者様の状態に合わせた個別のケアが行われます。

例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のような疾患では、段階的に食事や呼吸のサポートが必要となることが多く、適切な時期に設備や環境を整えることで、利用者様が望む生活を目指します。

また、神経難病の進行に伴う心の不安や恐れに対しても、職員ひとりひとりが、今できること、今やりたいことを一緒に考えて実行するサポートを行います。利用者様だけでなく、家族の心のケアにも力を注いでいます。

結論

終末期ケアは、人生の最後の章を迎える時、患者と家族が安心して過ごせるようにサポートすることです。一般的な施設では、専門家チームが痛みの緩和や心のケアを行い、最後の瞬間までの時間を大切にしています。当施設では日常の小さな幸せを守るためのサポートができるように、進行する病に特化したケアを心がけています。また、職員自身も学び続けています。

 

利用者様に

「ここに来て良かった」

~利用者様ファースト~

と思っていただけるように、

これからも努めていきます。

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持続吸引器/排唾管

口腔内の唾液を24時間持続的に吸引できる専用機器。唾液による肺炎リスクを下げ、夜間の介助負担も大幅に軽減します。常に口腔内に当たる吸引口の先端部分には既成のプラスチックパーツがついていますが、利用者さまによってはその硬さや大きさに違和感がある場合もあります。そこでMCでは、形や素材を手作りで工夫し、一人ひとりの好みに合わせた快適な使用感の実現を目指しています。

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動くことが困難な利用者さまにとって、外出は最高の気分転換。施設周辺でのお散歩はもちろん、近隣のコンビニやスーパーへのお買い物、車で少し遠出をして紅葉やお祭りを見に行ったりなど、さまざまな場所で楽しい時間を過ごしています。呼吸器などの医療機器をつけたままでも、スタッフが付き添い適切なケアを行うので、安心してお出かけいただけます。

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視線検出式入力装置を接続した、目の動きによる文字入力ができる意思伝達装置。文字だけでなく絵文字も使用できるのが特徴で、伝え難い感情のニュアンスを表現することが可能です。また、体の部位を示す絵文字と操作に関する絵文字を組み合わせるなどの工夫で、通常の文字を入力するよりも素早いコミュニケーションを実現できます。

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筋肉の「ひずみ」や「ゆがみ」で作動するピエゾセンサーと、指先の僅かな動きで作動するエアバッグ(ニューマティック)センサーの2種類を選択できるスイッチ。いずれも感度調整が可能で、僅かな力でも操作できるため、幅広い方にご使用いただけます。MCでは更にチューブを利用したカムスイッチを作成し、接続して使用しています。

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