2025年4月29日

医療・介護の未来を拓く?MCが挑む「Gemini」活用最前線 ~AI初心者向け・現場の可能性と注意点~

「もっと効率よく記録できたら…」「新しいケアのアイデアが欲しい…」「多職種との情報共有をスムーズにしたい…」

日々、利用者様のために奮闘されている医療・介護現場の皆さん。人手不足や業務の多忙さ、そして一人ひとりに寄り添った個別ケアの難しさなど、多くの課題を感じているのではないでしょうか。

そんな中、今、大きな注目を集めているのが「生成AI」です。ニュースなどで耳にする機会も増えましたが、「なんだか難しそう…」「私たちの仕事にどう関係があるの?」と感じている方も多いかもしれません。

こんにちは!私たち株式会社MCは、利用者様一人ひとりの想いを大切にしたケアの実現を目指し、日々様々な取り組みを行っています。そして今、より良いケアを提供するための新たな可能性として、Googleが開発した生成AI「Gemini(ジェミニ)」の活用に注目し、その可能性と向き合い始めています。

この記事では、「生成AIって何?」という基本から、私たちMC社が実際にどのようにGemini活用を検討しているのか、現場でのリアルな可能性と、使う上で絶対に知っておきたい注意点まで、AI初心者の方にも分かりやすく解説します。

なお、機密情報や個人情報の取り扱いに関しては十分ご注意ください。

そもそも「Gemini」って何ができるの?(AI初心者向け解説)

文章やアイデアを生み出すAI

「生成AI」とは、その名の通り、新しい文章、画像、アイデアなどを「生成」してくれるAIのことです。Geminiもその一つで、例えば、

  • 調べたいことについて質問すると、分かりやすく説明してくれる
  • 文章の要約や翻訳をしてくれる
  • 企画のアイデア出しを手伝ってくれる
  • メールや報告書の下書きを作成してくれる

など、様々なことができます。まるで、優秀なアシスタントが隣にいてくれるようなイメージです。

魔法の杖じゃない!知っておきたい仕組みと限界

とても便利なGeminiですが、「魔法の杖」ではありません。実は、Geminiがなぜ特定の答えを出すのか、開発しているGoogleの専門家でさえ完全には分かっていません。膨大なデータを学習し、入力された情報(質問)に対して、統計的に最も「それらしい」答えを出力している、と推測されています。

注意!「もっともらしい嘘」ハルシネーションとは?

そのため、Geminiは時々、事実に基づかない、もっともらしい嘘の情報(ハルシネーション)を生成してしまうことがあります。これは、Geminiが「正しさ」よりも「それらしさ」を優先してしまうことがあるためです。絶対にGeminiの言うことを鵜呑みにせず、「本当にそうなのかな?」と疑う視点を持つことが大切です。

MC社が進めるGemini活用のリアル ~現場の可能性を探る~

私たちMC社では、Geminiを医療・介護現場でどのように役立てられるか、具体的な検討を進めています。

まずは知ることから!バックオフィスでの「Geminiアイデアソン」開催

「新しい技術は、まず自分たちが触れてみないと始まらない!」ということで、先日、バックオフィスのメンバーでGemini活用のアイデアソン(アイデアを出し合う会)を実施しました。「こんなことに使えないか?」「こんな課題が解決できるかも!」と活発な意見交換が行われ、現場の課題解決に向けた様々な可能性が見えてきました。

ケアプラン作成の「壁打ち相手」に?思考整理のヒントを得る

ケアプラン作成は、ケアマネジャーの専門性が発揮される重要な業務です。Geminiに「〇〇な状況の方のケアプランを作って」と丸投げするのは危険ですし、画一的なプランになってしまう懸念もあります。

しかし、現場のケアマネジャーからは、「思考の整理や、アイデアのたたき台として使えそう」という声も挙がっています。

  • 活用イメージ:
    • 「認知症で〇〇な行動が見られる方への、日中の活動アイデアを5つ提案して」
    • 「在宅での看取りを希望されているご家族への、精神的支援として考えられることをリストアップして」
    • 「〇〇という疾患を持つ方のケアプランを作成する上での注意点を教えて」

このように、具体的なテーマでGeminiに問いかけることで、自分だけでは思いつかなかった視点や、考えるヒントを得られる可能性があります。もちろん、出力された情報は鵜呑みにせず、利用者様の個別性を踏まえて専門家が吟味することが大前提です。

多職種連携をスムーズに?議事録作成・情報共有の効率化

医師、看護師、リハビリ職、ケアマネジャーなど、多くの専門職が連携して利用者様を支えるMC社にとって、スムーズな情報共有は生命線です。

  • 活用イメージ:
    • 会議の音声をGeminiに読み込ませ、議事録のたたき台を自動作成させる(※個人情報や声の聞き分けには注意が必要)。
    • カンファレンスの決定事項や、各職種への申し送り事項を要約させる。

これにより、記録業務の負担を軽減し、より利用者様と向き合う時間や、チームでの議論の時間を確保できるのではないかと期待しています。

※MCでは個人情報の取り扱い等には十分注意し利用しています。

Geminiを使いこなす第一歩!効果的な質問(プロンプト)のコツ

Geminiから的確な答えを引き出すには、少しコツが必要です。難しく考えず、まずは以下の点を意識してみてください。

  1. 「あなたは〇〇です」と役割を与える:
    • 例:「あなたは経験豊富なケアマネジャーです」「あなたは認知症ケアの専門家です」
    • なぜ有効?:役割を与えることで、Geminiはその役割になりきって、より専門的な視点や言葉遣いで答えてくれるようになります。
  2. 目標を具体的に伝える:
    • 例:「〇〇のケアプランのアイデアを3つ提案してください」「新人スタッフ向けに〇〇について説明する資料を作成してください」
    • なぜ有効?:何をしてほしいのかが明確になり、Geminiが的外れな答えを返しにくくなります。
  3. 条件や形式を指定する:
    • 例:「100文字以内で要約して」「箇条書きでリストアップして」「メリットとデメリットを表形式でまとめて」
    • なぜ有効?:欲しい情報の形を具体的に伝えることで、そのまま活用しやすい形で答えを得られます。

現場の声:「わからない」から「使えそう!」へ

MC社内でも、事務員やケアマネジャーから「正直、使い方がよくわからない…」という声が聞かれました。新しい技術に対して、戸惑いや不安を感じるのは自然なことです。

しかし、実際にGeminiに触れてみたスタッフからは、「考えをまとめるのに役立つかも」「一人で悩んでいる時の壁打ち相手になってくれそう」といった前向きな意見も出てきています。

大切なのは、完璧を求めすぎず、まずは試してみること。そして、現場で試行錯誤しながら、便利な使い方や注意点について学び、共有していくことだと考えています。MC社としても、スタッフが安心して新しい技術を活用できるよう、研修などの学びの機会を提供していく必要性を感じています。

【最重要】Geminiを使う上での注意点まとめ

Geminiは大きな可能性を秘めていますが、安全に活用するためには以下の点に必ず注意してください。

  1. 情報は必ず「人」がチェック!:Geminiが出力した情報は、ハルシネーション(もっともらしい嘘)を含む可能性があります。必ず複数の情報源で裏付けを取ったり、専門家が内容を精査したりするなど、人間の目によるチェックを徹底してください。医療・介護のように、人の健康や生命に関わる分野では特に重要です。
  2. 個人情報・機密情報の扱いは厳重に:利用者様の氏名、病歴、住所などの個人情報や、事業所の機密情報をGeminiに入力することは絶対に避けてください。情報漏洩のリスクがあります。匿名化するなど、適切な処理が必要です。株式会社MCでは、個人情報保護に関する法令・ガイドラインを遵守し、利用者様の個人情報を厳重に管理しています。Geminiの利用においても、個人情報の取り扱いには細心の注意を払い、適切な安全管理措置を講じています。
  3. 倫理的な視点も忘れずに:AIの判断が、特定の属性を持つ人々に対して不利益にならないかなど、倫理的な問題がないか常に意識する必要があります。AIはあくまでツールであり、最終的な意思決定は人間が行うべきです。
  4. 「思考停止」にならない:便利さのあまり、自分で考えることをやめてしまわないように注意しましょう。Geminiは思考を助けるツールであり、思考を代替するものではありません。

おわりに:Geminiと拓く、人に寄り添うケアの未来

生成AI「Gemini」は、医療・介護現場の様々な課題を解決する可能性を秘めた、パワフルな「ツール」です。しかし、それは決して万能の「魔法」ではありません

私たち株式会社MCは、「利用者様一人ひとりに寄り添う」というケアの原点を最も大切にしています。その軸をぶらすことなく、Geminiのような新しいテクノロジーと真摯に向き合い、その力を借りながら、より質の高い、温かいケアを追求していきたいと考えています。

この記事を読んで、Geminiに少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。

「私の業務の、こんな場面で使えないかな?」 「こんなことに注意が必要なんじゃない?」

ぜひ皆さんも、まずはGeminiに触れてみて、その可能性や課題について一緒に考えてみませんか?コメント欄で、皆さんのご意見や、現場での活用アイデアなどを教えていただけると嬉しいです!

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意思伝達装置/OriHime eye+Switch

視線やわずかな動きで思いを言葉に変える、社会参加を実現する革新的な意思伝達装置。視線入力やスイッチ入力で文字を選び、合成音声でスピーチができるため、ALSなどの神経難病の方々も自由に意思を伝えられます。家族や介護者とのコミュニケーションはもちろん、テレビ操作やインターネット利用など、日常生活の多くの場面で活用可能。OriHemeにはカメラやマイク、スピーカーが搭載されており、周囲を見渡したり、会話にリアクションするなどその場にいるようなコミュニケーションを実現し、生活の質を大きく向上させる可能性を秘めています。

プラスチックケーススイッチ

押した時がスイッチオン・離すとオフとなる、指で押して使うタイプの軽量でシンプルなスイッチ。握力の大きさに応じて適切なスイッチを選ぶことができます。プラスチックケースの中に内蔵されたマイクロスイッチの場所を変えることで、感度を細かく調整することが可能なため、利用者さまの状態に合わせて工夫してセッティングを行っています。

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好きなものを食べられる、飲める(経口、胃ろう)

利用者さまの食べたいもの・飲みたいものをできるだけ実現させるため、さまざまな工夫を取り入れています。気管切開を行い人工呼吸器を使っている利用者さまでも、食事やスイーツなどを食べやすい形状にしてお口で味わうことや、胃ろうを通してアルコールを摂取することが可能です。「胃ろうからお酒?」と驚かれるかもしれませんが、MCではできる限り利用者さまのご希望に沿えるよう、体調と相談しながら柔軟な対応を行っています。

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施設・入居について

床ずれ防止用具/ここちあ

食事介助や離床などの背起こしケア時に発生する「床ずれリスク」を軽減するために開発されたエアマット。ベッドと連動した自動圧力調整機能を搭載しており、背上げ角度に応じてマットレス内の圧力を自動で調整し、体勢をしっかり保持して床ずれを予防します。操作パネルにはガイダンス機能付きのフルカラー液晶画面を採用。約10分で空気を充填できるエアポンプを備えているほか、停電時にも安心して使用できる設計で、使い勝手と安全性に配慮しています。

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