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看護ケア「便秘」-ALSなど神経難病の方の排便管理について-

看護ケア「便秘」について

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看護師

今回は、便秘に関してだよ。

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たかし(看護学生)

便秘ですか?
分かりました、お願いします。

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看護師

びっくりしたかな。まず、ALSなどの神経難病の方の排便障害について見ていこう。

便秘になる原因

排便障害では

  • 便が作られるまでの消化吸収機能
  • 直腸で便を溜めて十分に排出する働きである直腸肛門機能

が関わっている。

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看護師

それじゃあ、一つずつ見ていこう。
ますは、消化吸収障害についてだけど、医学的には”消化不良症候群“とも言われているよ。
これは、『消化・吸収が障害されると各種の栄養素の欠乏が惹起される。そして、下痢、脂肪便、体重減少、るいそう、貧 血、倦怠感、腹部膨満、浮腫などのさまざまな症状が出現 する。
これらの疾患群を吸収不良症候群malabsorption syndromeという。消化・吸収過程が障害されて発生するこの病態は、栄養素の吸収部位である小腸疾患以外にも、膵・肝胆道系疾患や胃・十二指腸疾患、さらには全身性疾患でも発症しうる。』と言われているんだよ。

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たかし(看護学生)

なんだか急に難しい言葉が続いてきましたね。

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看護師

そうだね。でも要するに、体が食事から取る栄養吸収の機能低下して、胃・腸だけではなくいろいろな症状が出ていくるんだ。って解釈でいいと思うよ。

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たかし(看護学生)

なるほど、分かりました。

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看護師

よし、じゃあ次は直腸肛門機能の低下について見ていこう。
直腸肛門機能には直腸と肛門括約筋、骨盤底筋群の働きと、姿勢が関係している。直腸肛門の感覚低下により、便意の知覚ができず直腸の収縮が喚起されず排便困難の原因となるため、蓄便障がいと排便(便排出)障がい、そして蓄便・排便ともに障がいを生じることがある。パーキンソン病では、排便障がいが運動障がいに先行すること、また中枢疾患では排便時に奇異性括約筋収縮による直腸肛門型便秘が報告されてるんだよ。

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たかし(看護学生)

なるほど、肛門周囲の筋肉と姿勢だけではなくて便意を自覚する機能も影響しているんですね。

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看護師

そうゆうことだね。排便障がいの評価では、排便日誌を用いて排便周期とブリストル便形状スケール、排便量を確認し、排便動作や排便姿勢、咀嚼や嚥下機能と食事内容・飲水量、直腸診による直腸収縮の低下や消失の確認と嵌入便の確認、薬物性便秘の可能性の検討などを行うが重要なポイントになってくるよ。

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たかし(看護学生)

なるほど、看護学校で排便の性状と周期を観察することが大切だと習ったけど、こうゆう理由があるんですね。

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看護師

ALSなど神経難病の方に対しての排便管理は、

  • 腸運動促進薬で大腸通過時間を短縮させる
  • 座位姿勢を保持することやストレッチや筋力トレーニングなどの運動療法により便排出時の腹圧低下を改善させる

こういった看護介入が大切になってくるよ。

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看護師

そして適切な飲食と温罨法や腹部マッサージによる腸蠕動運動の促進が基本になるよ。
便意切迫感や便失禁がある人で外肛門括約筋を随意に動かすことができれば、骨盤底筋訓練を行う。便秘に対しては排便反射を促す摘便、浣腸、洗腸を行うこともあるんだよ。

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たかし(看護学生)

便秘ひとつとって見ても、身体の仕組みや変化についての知識がないと、適切な対処とケアは出来ないんですね。

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看護師

そうだね。「便秘」に関しても、高齢者や女性の方でも頻繁に出てくる日常生活の問題だから、それらと神経難病の人たちとの違いを比べながら介入していくことは重要なことだね

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たかし(看護学生)

わかりました。今回もありがとうございました。

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