2025年7月5日
“遠回り”と“自己満足”の先に見た光。ある施設長が目指す『いつでも傍に居る』介護とは

「食べることは生きること」。しかし、ALSや脳卒中、その他の疾患などで口からの摂食が難しくなると、栄養補給の方法にも悩みが生じます。そんな中、胃ろうは、栄養を摂取するためのひとつの手段となります。
本記事は、胃ろうを検討されている方、すでにご利用中の方、そのご家族、そして医療・介護現場でご活躍される皆様に向けとなります。胃ろうの基本知識からケア方法、当社での実際のエピソードをお届けします。
目次
胃ろうは、経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy : PEG)などの方法を用いて、経皮的に胃にカテーテルを挿入し、直接胃に栄養剤を届けるための医療処置です。
口からの摂取が困難な場合、胃ろうは誤嚥性肺炎のリスクを低減し、安定した栄養補給を可能にします。
※簡易懸濁法はこちらの記事を御覧ください
ALSと診断されたAさんは、胃ろうを造設してもかつての晩酌の楽しみを手放すことはありませんでした。ある晩、栄養剤注入器からはまるでビールのような泡が見え、Aさんは「胃ろうからでも晩酌ができるんだ!」と笑顔でおっしゃいました。医療スタッフもその温かな笑顔に、胃ろうがもたらす新たな生活の可能性を実感しました。
進行性の神経難病を抱えるAさんは、以前大好きだったお酒を自ら選びたいという思いがありました。介護スタッフと一緒にコンビニへ出かけ、お気に入りの日本酒やデザートを手にしながら、Aさんは「胃ろうがあっても、生活の楽しみは変わらない」と語りました。その姿は、ご家族やスタッフにとっても大きな励みとなりました。
これらのエピソードは、胃ろうが単なる医療処置でなく、ご本人の生きる喜びや生活の質を守る大切なサポートであることを示しています。
株式会社MCでは、胃ろうを検討・利用される方々に向け、医師、看護師、管理栄養士、介護福祉士、その他の専門職が連携した多職種チームケアを実践しています。
それぞれの専門知識を活かし、患者さん一人ひとりの状態に合わせたきめ細やかなサポートを提供することで、「その人らしい生き方」を尊重したケアを実現しています。
胃ろうは、ただの医療処置ではなく、食べる喜びや生活の質を守るための大切な選択肢です。口からの摂食が難しくなった場合でも、胃ろうを通して安全な栄養補給を行いながら、ご本人の「その人らしい生き方」をしっかり支えることができます。
株式会社MCは、多職種チームによる温かいサポート体制のもと、皆さまが安心して日々の生活を送れるよう、全力で支援いたします。
入居に関するご質問やご相談、また施設については、下記よりお気軽にお問い合わせください。
(注)本記事は一般情報の提供を目的としており、具体的な治療やケアについては、必ず医師や専門の医療従事者にご相談ください。
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伝の心
センサーを使用して身体の一部をわずかに動かすだけで、文字をパソコンに入力できる意思伝達装置。 DVDやテレビなどのリモコン操作、インターネットや電子メールなど、介護者の力を借りることなく、利用者さまが多くのことを自由に行うことができます。これまでの仕事を継続する・新しい活動を始めるなど、さまざまな可能性を広げるツールであり、ALS当事者で国会議員の舩後靖彦氏も使用していることで知られています。
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ピエゾニューマティック(PPSスイッチ)
筋肉の「ひずみ」や「ゆがみ」で作動するピエゾセンサーと、指先の僅かな動きで作動するエアバッグ(ニューマティック)センサーの2種類を選択できるスイッチ。いずれも感度調整が可能で、僅かな力でも操作できるため、幅広い方にご使用いただけます。MCでは更にチューブを利用したカムスイッチを作成し、接続して使用しています。
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マクトス
音声や文字によるコミュニケーションが困難な方のための支援機器。筋電、眼電、脳波などの生体信号を検知し、設定した値(閾値)を超える信号を検知すると、スイッチ操作やコールが鳴るように設定できます。指の動きや視線の動き、瞬きなどが難しくなった方も、家族やスタッフとのコミュニケーションを取ることが可能です。
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お部屋の装飾、レイアウト
MCでは、個室を利用者さまのご自宅のように、自由にレイアウトしていただいています。ベッド・洗面台・エアコン等は標準設置されていますが、家具、日用品、専用テレビ等を自由に持ち込むことが可能です。大きなテレビでドラマや映画を楽しんだり、ミシンで手芸をしたり、壁一面に思い出の写真を飾ったり…。一人ひとりの暮らし方を変えることなく、自由に日常を過ごしていただけます。
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