2025年2月19日
ロホクッションとは?介護・リハビリ現場から日常生活まで支える安心クッション

5月25日~26日まで、日本神経学会学術大会に参加をさせて頂きました。その中で、大変興味深い発表がありましたので、ご報告させて頂きます。
私たちが働く施設はでは、カフアシスト(MI-E70)と呼ばれる排痰補助装置を主に神経難病の利用者に日常的に活用し、排痰促進と肺・胸郭のストレッチを図っています。カフアシストは咳をする力が弱化した利用者に適応があるとされていて、咳や痰を出すために有効とされる270L/minという速度を得られるような設定で行うことが推奨されています。施設でのカフアシストの設定は上記にならった設定で行っています。
その他に、肺・胸の筋肉のストレッチを図る手段として、アンビューバックを用いて肺に最大吸気を促し、肺・胸の筋肉のストレッチを促すMICの訓練(息だめができる方に最大強制吸気を促す方法)やLICの訓練(気管切開後または、気管切開前でも息だめができなくなった際に最大強制吸気を促す方法)を施設に導入し、リハビリスタッフが呼吸リハビリを行っています。MICやLICでは、肺・胸の筋肉のストレッチを通して、呼吸機能が低下した神経難病の利用者にも肺活量や肺の容積の維持が期待できます。通常は病院などで肺活量の検査などで調べる最大吸気量(肺の容量)を私たちの施設にある簡易流量計を用いれば測定することができます。さまざまな研究でも、肺のストレッチにMICやLICは有効であると報告されています。
今回の発表で“ALSの方にLICを用いてカフアシストの設定を行う”という研究報告がありました。これは、カフアシストに期待される肺・胸の筋肉のストレッチ効果を最大に得るために、LICで得た最大吸気量の情報を参考にカフアシストの設定を行い、最大深呼吸(最大吸気)を促すという報告でした。つまり、カフアシストの効果である、排痰の促進と肺・胸の筋肉のストレッチを両者共に最大限発揮させた試みでした。
私たちもこの発表にならって、LICを用いてカフアシストの効果を最大限に生かすことを試みたいと思います。その一歩として、まず当施設での呼吸リハビリの一環としてMIC・LICを充実させていきたいです。現状、当施設でMIC・LICを使用している利用者は少ないため対象者を増やしていこうと思います。MIC・LICは呼吸障害の重症度を問わず適応があるため、積極的に活用していくべきです。日常的に行っているカフアシストにLICで得た最大吸気量を設定し、効果を最大限生かした状態で利用者へ提供できると、リハビリ以外でも日常的に肺活量・肺の容積の維持が期待できると考えます。
今年の4月より私たちの施設のリハビリスタッフが増えました。他職種連携やリハビリの質を深めている中、今回のMIC・LICの充実を図るだけでなく、その継続的な効果を追っていきたいと思います。
以上
文責:リハビリ 権丈美純
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マクトス
音声や文字によるコミュニケーションが困難な方のための支援機器。筋電、眼電、脳波などの生体信号を検知し、設定した値(閾値)を超える信号を検知すると、スイッチ操作やコールが鳴るように設定できます。指の動きや視線の動き、瞬きなどが難しくなった方も、家族やスタッフとのコミュニケーションを取ることが可能です。
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視線やわずかな動きで思いを言葉に変える、社会参加を実現する革新的な意思伝達装置。視線入力やスイッチ入力で文字を選び、合成音声でスピーチができるため、ALSなどの神経難病の方々も自由に意思を伝えられます。家族や介護者とのコミュニケーションはもちろん、テレビ操作やインターネット利用など、日常生活の多くの場面で活用可能。OriHemeにはカメラやマイク、スピーカーが搭載されており、周囲を見渡したり、会話にリアクションするなどその場にいるようなコミュニケーションを実現し、生活の質を大きく向上させる可能性を秘めています。
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押した時がスイッチオン・離すとオフとなる、指で押して使うタイプの軽量でシンプルなスイッチ。握力の大きさに応じて適切なスイッチを選ぶことができます。プラスチックケースの中に内蔵されたマイクロスイッチの場所を変えることで、感度を細かく調整することが可能なため、利用者さまの状態に合わせて工夫してセッティングを行っています。
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