リハビリ

ALSや神経難病の方におすすめの引っ張るスイッチ

ALSの方におすすめの引っ張るスイッチ

2023年3月26日に東京国際フォーラムではNPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会が主催する、「くらしを創る、知をつなぐ」をテーマにしたシンポジウムである「医ケア・ALS文化祭」が開催されました。シンポジウムでは、ALSなどの神経難病の方々の支援や研究に関わる方が参加しパネルトークや視線入力でのゲーム、視線入力で移動や視線変更を行える車いすの体験などの紹介が行われました。そのなかでも、声が出せなくても、自分らしいコミュニケーション方法を見つけるきっかけとして、様々なコミュニケーション支援機器の展示や体験会が開催されていました。

当施設でも様々なコミュニケーション機器や操作するためにスイッチを作成していますのでその一つをご紹介させていただければと思います。

 

引っ張るくんとは

引っ張るくんはリハビリ課が中心となり、作成した引っ張るスイッチです。このスイッチは、ご家庭にある洗濯バサミを使用しているのでみなさん作りやすいものになります。具体的には、洗濯バサミの先端に下敷き(クリアファイル)などの滑りやすいものを挟み、体を動かしたときに挟んでいたものが外れるとコールがなる仕組みとなっています。具体的にどういったものか詳しくお伝えしていきます。

 

 

引っ張るスイッチ(引っ張るくん)の作り方

使用した素材 ・洗濯バサミ

・配線コード

・下敷き(クリアファイル)

・紐

・ネジ

・3.5mmイヤホンジャック

工具・道具 ・はんだごて

・ハサミ

対象者 ・関節運動が可能な方
  1. 洗濯バサミの先端に穴を開けて、ネジをいれる
  2. ネジと配線コードをはんだごてでつける
  3. 配線とイヤホンジャックをはんだごてでつける
  4. 洗濯バサミに紐をつける
  5. 穴を開けた下敷き(クリアファイル)に紐を通す

 

ポイントは、洗濯バサミによって挟む強さが代わるので、力が入りづらい人は挟む力が弱いものを使ってください。

また、洗濯バサミにつけている配線コードに関しては短すぎると先に抜けてしまう恐れがあるため、洗濯バサミにつけた紐より配線コードを長めにしておくことが大切です。

 

引っ張るスイッチ(引っ張るくん)の使い方

利用者様には安楽な姿勢をとっていただき、手や足に下敷きを通した紐を着けます。その後、洗濯バサミを着けた紐を固定できるベッド柵などに着けます。洗濯バサミで下敷きをはさみ、洗濯バサミと下敷き(クリアファイル)の紐がたわまないように調整をします。

 

引っ張るスイッチ(引っ張るくん)のメリット・デメリット

下に引っ張るスイッチのメリットとデメリットをまとめました。大きな特徴としては、簡単に安易に利用者様の介助者もわかりやすいものになります。

 

メリット デメリット
・手に入りやすい素材で簡単に作ることができる。

・下敷きが抜けたらコールがなる仕組みのため、利用者様も介助者もわかりやすい。

・コールが連打でならない。

・意思伝達装置に使うことができない。

・一回使うごとにセットしないと行けない

 

まとめ

今回はリハビリ課で作成した引っ張るスイッチの引っ張るくんを紹介しました。身近にある洗濯バサミを使っていますので、比較的簡単に作ることができるスイッチだと思います。関節が動かせる方に手軽に安価な引っ張るスイッチを作成したい方は是非参考にしていただけると幸いです。

 

リハビリテーション科では、

利用者の望みに寄り添い、そのお手伝いをする

利用者さんの想いを知る為にコミュニケーションを大切にして、

どんな関りができるのか検討し、

専門知識を活かしたサービス提供を行っていきます。

※紹介している商品に関して取り扱っているわけではないため、お問い合わせはお控えください

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