2024年10月25日

職員のCPAP体験記!介護施設での呼吸ケアの新たな取り組み

CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群の治療で知られています。CPAPを使用することで気道を開存させ、安定した呼吸を維持することができます。※病状によってはかえって気道が狭まってしまう可能性があるため、定期的な評価が必要です。

当介護施設において、ALSや多系統萎縮症といった神経難病を抱える入居者にとっても、呼吸ケアは生命維持に欠かせない重要な課題です。今回、私たちの施設では職員を対象としたCPAPの体験会を実施し、職員が体験を通じて効果や課題を共有する機会を設けました。本記事では、その体験会の様子と、看護師のインタビューを通じて得られた知見を紹介します。

CPAP体験会の概要

開催の目的と背景

CPAPは、睡眠時無呼吸症候群や呼吸不全に有効な治療法として広く知られています。しかし、実際に触れる機会は少ないのが現状です。CPAPの設定は医師が行いますが、装着や操作は利用者様が行えるシンプルな仕様となっています。そのため、職員が実際にCPAPを体験し、利用者へ実体験を踏まえお話できるようにするための体験会を開催しました。

今回お借りした機種に関しては、利用者が触れるのは電源ボタンのみのとてもシンプルなモデルでした。

参加した職員の反応

体験会に参加した職員からは、「気道が広がる感覚がある」「マスクによっては耳の不快感がある」「機器の操作はシンプルで、初めてでも扱いやすい」という声が聞かれました。電源を押すだけで作動し、設定も容易であると感じた方が多いと感じました。

看護師のインタビュー

CPAPの操作や準備

CPAPのセットアップは、マスクの装着に少し慣れが必要ですが、準備自体はスムーズに進めることができました。洗浄も簡単で、一度習得すれば日常的に行えるとのことです。また、マスクの装着は空気が漏れないように調整することが重要なポイントです。

職員の反応と対応

一部の職員からは、マスクを使用した際に耳に不快感を覚える声がありましたが、これは慣れで改善できると考えています。また、寝ている間は口を閉じることで、呼吸が楽になることを伝えましたとのことです。説明時には、簡単でわかりやすく、守るべきポイントに絞った説明が効果的だったとのことでした。

CPAP導入のメリットと課題

利用者の生活の質向上

CPAPを使用することで、夜間の呼吸状態が安定し、利用者の生活の質向上に大きく貢献できる可能性があります。特に、睡眠時無呼吸症候群の方にとって、サポート感を得られる点は非常に重要です。

課題と今後の改善点

一方で、今回の体験会はレンタル期間が短く、すべての職員が十分に体験できなかったという課題も浮上しました。また、職員への声掛けのタイミングやサポートがもっと必要だったという指摘もあり、今後の改善が必要です。

今後の展望

BLS研修の拡充

当施設では今後CPAPだけでなく、BLS(一次救命処置)の研修をさらに広げ、施設全体で急変時にも対応できるスキル向上を図ることが重要と考えています。

他の呼吸ケア技術の体験

CPAP以外にも、呼吸ケアの新しい技術や機器に関する勉強会や体験会を取り入れ、より効果的なケアを提供できる環境を整えていきたいと考えています。また、体験会を通して、実体験を持って説明を行えるような職場環境を目指しています。

まとめ

CPAP体験会を通じて、体験することの重要性とその可能性を強く感じました。今後、CPAPをはじめとした呼吸ケアの取り組みによって、納得感を持った説明を入居者様へ行えるように、引き続き取り組んでいきたいと考えています。

関連タグの新着記事

施設・入居

もっと見る

2025年1月4日

グランドフリッチャーってどんな車椅子?機能とメリットを徹底解説

  • 施設・入居
  • リハビリ
  • 神経難病
  • ALS

2024年12月30日

医療依存度の高い方の離床支援-看護師が語る、安心の「離床」ケアで広がる可能性-

  • 施設・入居
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 働き方
  • 神経難病
  • ALS
  • 看護
  • カルチャー

リハビリ

もっと見る

2025年10月31日

スタッフが「言えてよかった」と思える職場へ。神経難病ケアの質を高める「リフレクティング型会議」とは?

  • リハビリ
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 働き方
  • 神経難病
  • ALS
  • 看護
  • 介護
  • 事務局
  • カルチャー

2025年10月23日

そのキャリア、会社任せで大丈夫? 終身雇用が揺らぐ時代に「自分の価値」を高める働き方

  • MCについて
  • リハビリ
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 看護
  • 事務局
  • カルチャー

みさとノイエ

もっと見る

2025年10月31日

スタッフが「言えてよかった」と思える職場へ。神経難病ケアの質を高める「リフレクティング型会議」とは?

  • リハビリ
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 働き方
  • 神経難病
  • ALS
  • 看護
  • 介護
  • 事務局
  • カルチャー

2025年10月25日

『呆然自失』の先に見た光:介護現場の「専門性の壁」を壊し、最強のチームを築く方法

  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 働き方
  • 介護
  • 事務局
  • カルチャー

2025年10月31日

スタッフが「言えてよかった」と思える職場へ。神経難病ケアの質を高める「リフレクティング型会議」とは?

  • リハビリ
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 働き方
  • 神経難病
  • ALS
  • 看護
  • 介護
  • 事務局
  • カルチャー

2025年10月23日

そのキャリア、会社任せで大丈夫? 終身雇用が揺らぐ時代に「自分の価値」を高める働き方

  • MCについて
  • リハビリ
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 看護
  • 事務局
  • カルチャー

2025年10月31日

スタッフが「言えてよかった」と思える職場へ。神経難病ケアの質を高める「リフレクティング型会議」とは?

  • リハビリ
  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 働き方
  • 神経難病
  • ALS
  • 看護
  • 介護
  • 事務局
  • カルチャー

2025年10月25日

『呆然自失』の先に見た光:介護現場の「専門性の壁」を壊し、最強のチームを築く方法

  • みさとヴィラ
  • みさとノイエ
  • 働き方
  • 介護
  • 事務局
  • カルチャー

MCライブラリー

もっと見る

好きなものを食べられる、飲める(経口、胃ろう)

利用者さまの食べたいもの・飲みたいものをできるだけ実現させるため、さまざまな工夫を取り入れています。気管切開を行い人工呼吸器を使っている利用者さまでも、食事やスイーツなどを食べやすい形状にしてお口で味わうことや、胃ろうを通してアルコールを摂取することが可能です。「胃ろうからお酒?」と驚かれるかもしれませんが、MCではできる限り利用者さまのご希望に沿えるよう、体調と相談しながら柔軟な対応を行っています。

関連ページ

施設・入居について

伝の心

センサーを使用して身体の一部をわずかに動かすだけで、文字をパソコンに入力できる意思伝達装置。 DVDやテレビなどのリモコン操作、インターネットや電子メールなど、介護者の力を借りることなく、利用者さまが多くのことを自由に行うことができます。これまでの仕事を継続する・新しい活動を始めるなど、さまざまな可能性を広げるツールであり、ALS当事者で国会議員の舩後靖彦氏も使用していることで知られています。

関連ページ

ネッティ

ネッティ

福祉先進国であるノルウェーで生まれた、快適性抜群の車椅子。ティルト&リクライニング機能により、体の状態に合わせた細かな調整が可能です。特に頭部、背中、足のサポートが充実しており、座り直しが難しい方や姿勢を維持することが困難な方でも、安心して長時間使用できます。

関連ページ

MC大学

MCの全社員を対象とした学びの場。次世代の医療介護業界のプロフェッショナル人材を早期に育成することを目的としています。また、能力や経験の豊富なスタッフが社内講師役を務めることで、彼らも教えることを通じて学び、知見を広げています。私たちMCは成長し続ける企業であるために、社員一人ひとりが興味のあることを積極的に学び続けられる環境を大切にしています。

関連ページ

採用について

株式会社MCでは新卒採用、キャリア採用、アルバイト・パート採用を行っております。
募集職種など詳しくは採用情報をご確認ください。

お問い合わせ窓口

採用について、施設への入居についてなど、株式会社MCへのお問い合わせは下記より承っております。

電話:048-999-5858

電話受付時間:9:00〜17:00(月曜日~金曜日)
FAX:048-999-5827