解決よりも大切なこと。相談援助で「共感」が求められる理由

先日、ある方が受けた研修で、「相談援助技術」の本質は解決策を提示することではなく、相手の気持ちに寄り添い、共に感じること、つまり「共感」にあると気づいたそうです。この学びは、日常の業務はもちろん、日々の人間関係においてもかけがえのない指針となり、今後の仕事や生活に活かしていきたいと語っていました。
このお話は、私たちが日々のケアで最も大切にしている想いを改めて教えてくれました。今回は、私たちが考える「共感」の力、そしてそれが私たちのケア現場でどのように息づいているのかを、具体的なエピソードを交えながらご紹介したいと思います。
目次
共感とは、相手の立場になって、その感情を理解し、共有しようとすることです。特に、神経難病を抱える方やご高齢の方は、身体的な不自由さだけでなく、将来への不安、孤独感、そして自分の気持ちをうまく伝えられないもどかしさなど、様々な感情を抱えていらっしゃいます。
例えば、サポートハウスみさとヴィラにご入居されているA様は、進行性の病気により、以前は容易にできていたことが徐々に困難になり、強い不安を感じていらっしゃいました。ある日、A様が涙ながらに「もう何もできなくなってしまうのではないか」と話された時、担当の介護スタッフは、すぐに解決策を提示するのではなく、「つらいですね。不安でいっぱいになりますよね」と、A様の気持ちを言葉にして伝えました。そして、ゆっくりと手を握り、じっとA様の言葉に耳を傾けました。
すると、A様の表情は少しずつ和らぎ、ご自身の気持ちをさらに詳しく話してくださいました。スタッフは、A様の言葉を受け止め、共感の言葉を返しながら、できる範囲でA様の希望を叶えるための方法を一緒に考えました。その結果、A様は「私の気持ちを分かってくれる人がいる」という安心感を得て、前向きな気持ちを取り戻されたのです。
これは決して特別な出来事ではありません。みさとヴィラやみさとノイエの日常の中で、私たちは常に、入居者様一人ひとりの言葉にならない感情にも注意深く寄り添い、共感の気持ちを伝えることを心がけています。
株式会社の理念である「思いやりのある包括的なケア」の根幹には、この「共感」の精神があります。私たちは、入居者様お一人おひとりの個性や尊厳を尊重し、その人らしい生き方を支えることを目指しています。そのためには、表面的なケアだけでなく、心の奥深くにある感情に寄り添い、理解することが不可欠です。
認知症の症状をお持ちのB様は、時折、過去の出来事を鮮明に思い出しては混乱されることがあります。そんな時、私たちのスタッフは、B様の混乱した言葉に耳を傾け、その感情を受け止めます。「そうだったんですね。それは心配でしたね」と共感することで、B様は一時的にでも安心感を取り戻し、穏やかな表情に戻られます。
私たちは、このような日々の積み重ねを通して、入居者様との信頼関係を築き、より質の高いケアへと繋げています。ご家族の方々の不安や心配にも、共感の気持ちで寄り添うことも、私たちの重要な役割です。
共感の気持ちを持つことは大切ですが、それを具体的な行動に移すためには、日々の意識と学びが欠かせません。私たちが共感的なケアを実践するために大切にしていることの一部をご紹介します。
入居者様の言葉だけでなく、表情や声のトーン、そして沈黙にも注意深く耳を傾け、その奥にある感情を理解しようと努めます。
「つらいですね」「寂しいですね」「嬉しいですね」など、入居者様の感情を代弁する言葉を使うことで、「あなたの気持ちを理解しています」というメッセージを伝えます。
表面的な解決策を提示したり、「頑張ってください」といった安易な励ましは、かえって入居者様の心を閉ざしてしまう可能性があります。まずは、ありのままの感情を受け止めることを大切にします。
優しい笑顔、温かい眼差し、そっと手を握るなどの身体的な触れ合いも、言葉以上に気持ちを伝えることがあります。
定期的な研修やOJTを通して、共感的なコミュニケーションのスキルを高め、様々な状況に対応できるよう、日々学び続けています。声かけについても学び、より良い関わり方を追求しています。
共感は、入居者様だけでなく、私たち介護スタッフにとっても、かけがえのない宝物です。入居者様の笑顔や「ありがとう」の言葉は、私たちの心に温かい光を灯し、日々の仕事への大きなモチベーションとなります。
サポートハウスみさとヴィラで長く暮らされているC様は、体調を崩され、食欲も落ち込んでいました。担当スタッフは、C様のお好きな食べ物を数種類用意し、座ってゆっくりと話しかけながら食事をすすめました。「今日は少しでも食べられそうですか?」「何か食べたいものはありますか?」と、C様のペースに合わせて注意深く声をかけ、一口でも食べられた時には、心から喜びを伝えました。その温かい関わりに、C様は安心して少しずつ食事を口にされ、後日、「あの時、あなたがそばにいてくれたから、頑張って食べられたよ。本当にありがとう」と笑顔で話してくださいました。
このエピソードは、共感が単なるケア技術ではなく、人と人との温かい繋がりを生み出す力であることを、改めて教えてくれました。
私たちは、これからも「共感」を大切にし、入居者様とそのご家族が安心して、そして笑顔で毎日を送れるよう、心を込めたケアを提供してまいります。もし、私どもの施設にご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度お問い合わせください。私たちの想いを直接お伝えできることを楽しみにしています。
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