手作りでできる噛むスイッチの紹介(吸引チューブVersion)
声を出す事や、ボタンを押す事が難しい場合、困っている時に直接読んだり、コールボタンを押して人を呼ぶことが出来ません。
そんな時に、「かむ」ことが出来るのであれば、コールを使えるかもしれませんので、
ぜひ使ってもらいたいのが、“スイッチ” です。
「かむ」ときに咀嚼筋とよばれる、咬筋、側頭筋、内外翼突筋が収縮します。咀嚼筋は小さい筋ですが、思いっきり噛むときには約70Kgの咬合力があると言われています。
ALSなどの神経難病の方は徐々に筋力の低下が生じます。しかし、咀嚼筋は他の上肢や下肢などの大きな筋肉と比べ、噛む力は残存しやすいのです。
なので、手や足を使ったスイッチでコールが難しくなった時でも、噛む力を使ったスイッチは検討する価値があると思います。
【 使用物品 】
・アイロン
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・アイロン台(今回は折りたたんだ厚手の布)
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・あて布(綿100%)や
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・クッキングシート
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・吸引チューブ(トップ吸引カテーテル クリアサクション)
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上記5点です。
あて布 は、素材によってチューブにくっついてしまったり、火事の原因となりますのでご注意ください。
【 手順 】
- アイロンを高温にセットする
- 吸引チューブのサイドの吸引口より手前でカットする
- 吸引チューブをあて布で被せて、吸引チューブの先端(3cm)をアイロンで10-20秒程度押し当てる
※布の材質によってはチューブとくっついてしまうので注意※断面に一直線の線があると隙間が空いてる可能性がある - 先端がくっついたら、先端の部分に丸みを持たせるように切る
以上が手順となります。
あとは、PPSスイッチ(パシフィックサプライ社)などの空圧センサーを感知し、コールと接続できるものに繋げれば完成です。
当施設ではリハビリスタッフの理学療法士、作業療法士が中心となり、今回のスイッチを作成しました。
リハビリは身体能力の向上や維持なども大切ですが、本人の希望を聞き、環境を整える支援体制も大切だと考えています。
”できないとあきらめるのではなく、どうやったらできるかを考え実行する。”
みんなでアイディアを出し合い、
試行錯誤して利用者様の笑顔を見ることができるように日々、頑張っています。
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リハビリ科
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